各国のガイド制度詳細-中国

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中国

概観

中国には、公的に認められているガイド制度として、「导游人员(ツアーガイド)」が存在する。同制度は、母国語ガイドだけでなく、通訳ガイドの資格付与もあわせて行う。有償でガイド業務を行う場合は、同資格の取得が必須となる。そのため、一部の観光スポットでは、無報酬のボランティアガイドが案内業務を行っているケースが見られる。また、近年はガイドの実績や評価が全てデータベース化されるなど、電子化の動きが進んでいる。

ガイド資格・認定制度

ⅰ 制度概要

导游人员は、使用する言語を問わず、旅行者向けに案内業務を行うものを対象とした制度である。全国共通の制度として「导游人员管理条例」1) (ツアーガイド管理条例)が設けられており、各省がその制度に従っている。
1987年に「导游人员管理暂行规定」(ツアーガイド管理暫定規定)が発令され、国内外の旅行者を問わず、有償で案内業務を行うためには、同資格の取得が必須となった。2018年にはガイドのサービス品質向上を目的に「导游管理办法」2) が導入され、実績や評価が全てデータベース化される「ガイド管理の電子化」などが進められた。2017年までは、特定言語スキルを持つ人材に、旅行会社が臨時免許証を発行できる「臨時ガイド」の制度が存在したが、「导游人员管理条例」の改正3) に伴い、同制度は廃止されている。
なお、「导游管理办法」では、「免許証を持つガイドに対し、ガイド活動の際に入場料を免除することを推奨する」と明記されているが、免除の判断は各観光スポットの運営に一任されている。导游人员の数は公表されていないが、全国で100万人以上とされている。


ⅱ 資格取得・認定プロセス

导游人员は、中国各省の観光局が主催する試験に合格することで資格付与される。試験は「全国导游资格考试大纲」4)(全国ツアーガイド資格試験アウトライン)に基づいて実施される。合格者には「ガイド資格証明書」が発行され、その後旅行会社または旅行業組織に所属することで、「電子ガイド免許証」が発行される。

【試験概要】5)

【試験内容】

試験は「筆記試験」と「口述試験」で構成される。

  1. 筆記試験
    「政策と法律法規」「ガイド業務」「全国ガイド基礎知識」「地方ガイド基礎知識」の計4科目で構成される。
    • 政策と法律法規
      ガイドと旅行全般に関する法律法規、および国の基本政策や憲法の知識が問われる。
    • ガイド業務
      ガイドの職業倫理、品質要求、サービス基準などのガイドサービスに関連する知識、および解説スキル、臨機応変な対応能力などが問われる。
    • 全国ガイド基礎知識
      中国の歴史や政治、地理や文化等の一般常識、および主要観光客の国に関する一般知識などが問われる。
    • 地方ガイド基礎知識
      中国各省、香港、マカオ、台湾の一般知識、観光資源、歴史文化などが問われる。
  2. 口述試験
    各省ごとに現地に存在する観光資源に関する内容が問われる。母国語ガイドの試験では、現地観光資源の解説と総合知識問題のみ出題されるが、通訳ガイドは対応言語に応じた通訳問題が追加で出題される。その場合、英語や日本語、ロシア語、フランス語、ドイツ語など、複数の言語から特定の言語を選択して受験する。


ⅲ 資格取得・認定後の対応

2018年に導入された「导游管理办法」の規定により、各省の観光局は年間に累計24時間以上の講習を無償で提供することが定められている。ただし、受講義務は存在せず、更新制度は実質的にない。